2050年には世界人口の約7割が都市に集中すると予測される中、脱炭素社会実現に向けて都市のGX(グリーン・トランスフォーメーション)が求められています。また、わが国では地震が活動期に入ったと言われているとともに、地球温暖化の影響と考えられる風水害も頻発するなど、自然災害のリスクが増大しています。これからの都市は、脱炭素化、自然災害のリスク増大に対応しつつ、知的生産拠点、急増する高齢者の生活環境などの質の高い空間を実現する必要があります。そのためには、関連する多分野の研究者、ステークホルダーが連携し、科学的知見を創出、共有、深化させ、社会実装につなげることが求められます。そこで本研究拠点では、上記の課題に関わる多分野の研究者が、科学的データや情報、知見を共有しながら協働研究を行って、脱炭素社会に貢献し、自然災害リスクへのレジリエンスを有する、健康・快適で魅力ある都市のデザイン・マネジメントに関わる成果を挙げ、実装に向けて取組むことを目的としています。
皆様のご指導、ご協力をよろしくお願いいたします。 |
本研究拠点では、京浜臨海部の都心地域を中心に、横浜市、川崎市、神奈川県など、研究グループメンバーがステークホルダーと関わりのある地域を研究対象とする。地域のニーズを踏まえて、脱炭素、レジリエンス、健康・快適などをテーマとした都市のデザイン・マネジメントに関わる研究プロジェクトを推進する。特に、横浜都心臨海部を対象に、2030年のカーボンハーフ、2050年のカーボンニュートラル社会に向けて、地域冷暖房にごみ焼却排熱やコージェネレーションを組込んだ地域エネルギーシステムをデザインする。そして京浜臨海部の工業地帯の再編に伴うグリーン水素の導入も視野に入れたカーボンニュートラル都市実現へのシナリオ構築を行い、関係者の理解を得ながら社会実装に向けた活動を展開する予定である。また、横浜みなとみらい21地区を対象に、3D都市モデル上で人流データを扱うことにより、安全で賑わいのあるエビデンスベースでの質の高いエリアマネジメント実現に向けたプロジェクト研究を、ステークホルダーと協働で実践的に進める。さらに、地域のニーズと研究グループメンバーのシーズをマッチングしながら研究プロジェクを創出していく予定である。 |